HAUN

「コリビング」を展開するHAUNのPMOとPMを一体支援。事業主に並走し、多拠点開発の品質と速度を両立します。「マネジメント的創造」により不確実性を整理し、スタートアップの急成長を空間と仕組みの両面から支えています。

グッドデザイン賞受賞(HAUN 田端)

Note : 取組の紹介「「美的感性」をコード化し、拡張可能な資産へ。santasが実践した、スケーラビリティとブランド純度を両立する『マネジメント的創造』」

Note : クライアントへのインタビュー

【Background】スケーリングが招く「質の希釈」というジレンマ

事業が急成長し、多拠点展開へフェーズを移すとき、経営者はある厄介なジレンマに直面します。それは「拡大(スケール)」と「質(クオリティ)」のトレードオフです。拠点が増えるにつれ、創業者の目は行き届かなくなり、ブランドの空気感は希薄化し、劣化版が量産されてしまう――。

新しいライフスタイル「コリビング(Co-living)」を展開するHAUNもまた、この課題に挑んでいました。田端、尾久、蔵前と矢継ぎ早に拠点を展開しながらも、HAUNは画一的なマニュアル化を良しとせず、物件ごとのローカルな文脈を尊重する「多様性」と「一貫性」の両立を目指しました。この難題を解決するために、santasはパートナーとして迎え入れられました。

【Point 1】独自手法「マネジメント的創造」の実践

santasが提供したのは、単なるスケジュールの管理ではありません。クリエイティビティを管理するのではなく、創造性が自律的に発露する「構造」を設計すること。私たちは、独自スキルである「マネジメント的創造(Managerial Creation)」を軸に、HAUN独自の「デザイン・ガイドライン」を策定しました。

このガイドラインは、仕様を固定して自由を奪う「マニュアル」とは一線を画します。「ちょうどよい間合い」や「自然の手ざわり」といった抽象度の高いブランド思想を、現場が判断可能なレベルまで言語化した「共通プロトコル」です。これにより、建築家の作家性を活かす余白を残しながらも、ブランドとして守るべきコアが厳格に守られる状態を構築。意思決定の質が向上し、開発スピードが劇的に加速しました。

【Point 2】PMOとPMをシームレスに統合

なぜ、実効性の高いガイドラインが作れたのか。それはsantasが、個別の現場を泥臭く管理する「PM」であり、同時に組織全体を支援する「PMO」を一体で担っていたからです。

  • 暗黙知の獲得(PM): 現場に入り込み、コスト管理や施工の細部を徹底検証。現場で得られた「この素材はメンテナンス性が高かった」といった暗黙知を吸い上げます。

  • 形式知への昇華(PMO): 得られた知見を即座にブランド全体のガイドラインへとフィードバックし、**形式知(組織の資産)**へと昇華させます。

この「現場(ミクロ)」と「戦略(マクロ)」を往復する高速なフィードバックループこそが、santasのマネジメントの本質です。A拠点の成功や失敗が、同時進行するB拠点の計画にリアルタイムで適用される。この知見の循環が、急拡大するHAUNの品質を支えるエンジンとなりました。

【Impact】投資対効果としてのクリエイティブ

この取り組みは、確かな成果として結実しました。第一弾の「HAUN田端」は、限られた予算と工期の中で、業界に風穴を開けるクオリティを実現し、2024年度グッドデザイン賞を受賞。入居者満足度というビジネスKPIにも直結しています。

さらに、構築された「デザイン・ガイドライン」は、HAUNというブランドの強力な「無形資産」となりました。santasは、単なる業務代行ではなく、事業のOSを共に構築するパートナーとして、量と質の二律背反に挑む経営者の挑戦を支え続けています。