国内の某児童養護施設
本計画は、虐待などの理由で親元を離れた子供たちが過ごす、児童養護施設内に建設された男子寮の改修プロジェクトです。旧財閥の別邸地に建設された歴史ある施設であり、コロナ禍で家庭内暴力の増加によって、子供がいつ入舎するか分からないという現状から、施設運営者は建物を可能な限り残し、かつ柔軟なレイアウト変更が可能な計画を求めました。
そこで私たちは、3つの提案を行いました。ひとつ目は、精神的に強い負担を抱えた子供たちに合わせた居室を準備すること。ふたつ目は、コンセントなど必要最低限の設備を床に備え、居室はDIY で組立可能かつ可動式とすること。最後は現状のリビングダイニングと居室の他に、セミパブリックスペースを設けることです。
本計画は国際NGO、ボランティア、施設スタッフを中心に工事を行う予定です。そして、本計画で得た知見は自動設計ツールとしてアーカイブ化され、他施設への展開を目指しています。