テクノフローワン本社オフィス

全国に生産拠点を構えるものづくり企業の本社改修計画。組織再編を契機として、本社が旗振り役となって全社の一体感を醸成しイノベーションを起こすために、本社勤務スタッフへとの対話を通して11のワークデザインアイデアを抽出し、オフィスデザインを計画しました。私たちは社員参加によるアジャイル型と効率を重視するウォーターフォール型のハイブリッド・デザインプロセスを実践し、パートナーと協働して空間・サイン・展示・仕組みのデザインを担当しました。

Partner:COL architects, マルヤマデザイン

グッドデザイン賞、日本サインデザイン賞銀賞受賞

Note : デザインチームへのインタビュー

Note : クライアントへのインタビュー

2025年度グッドデザイン賞受賞ページ

第59回日本サインデザイン賞受賞ページ

【Background】二つの組織が一つに溶け合い、未来を創る拠点へ

全国に生産拠点を構えるものづくり企業、株式会社テクノフローワン。本プロジェクトは、組織再編という大きな転換期において、物理的な場所の更新を超えた「企業の意志の統合」を目的としてスタートしました。 異なる背景を持つ社員たちが一つに溶け合い、本社が文字通り全社の「旗振り役」となってイノベーションを起こすためには、単なる効率的な事務スペースではなく、全社の一体感を醸成し、新たな価値を共創し続けるための空間が必要でした。

【Point 1】Deep Insight:対話から紡ぎ出された「11のワークデザイン」

私たちはまず、本社勤務スタッフ一人ひとりの声に耳を傾けることから始めました。Deep Insightとして、現場社員から経営層まで、表層的な要望の裏に隠された「理想の働き方」と「組織への想い」を丁寧に抽出しました。 社員参加型のワークショップを重ね、膨大な対話の中から結晶化したのが、「11のワークデザインアイデア」です。これは単なるレイアウト案ではなく、「どのように繋がり、どう成長するか」を定義したプロジェクトの羅針盤となりました。

【Point 2】ハイブリッド・デザイン:創造性と確実性の両立

本プロジェクトの最大の特徴は、santasが提唱する「ハイブリッド・デザインプロセス」の実践にあります。

  • アジャイル型アプローチ: 試作やモックアップ(実物大模型)による検証を繰り返し、社員の反応をダイレクトに設計にフィードバックする柔軟な進行。

  • ウォーターフォール型アプローチ: メーカーとしての規律あるスケジュールとコスト管理を徹底し、高品質な着地を約束する緻密な工程管理。

この相反する二つの手法を統合することで、不確実な「変化」を許容しながらも、プロジェクトとしての「確実な着地」を実現しました。

【Impact】空間が経営資源へと進化する

完成した本社オフィスは、2025年度グッドデザイン賞を受賞。審査員からは「本社改修を単なる環境改善にとどめず、企業全体の成長を支える拠点へと進化させた」と高く評価されました。 しかし、真の成果は受賞そのものではなく、この場所を通じて社員の間に「自社を語る言葉」が生まれ、組織の壁を越えた対話が日常化したことにあります。santasは、これからも「創造的マネジメント」を通じて、企業の意志を風景に変え、人ー企業ー社会のより良いつながりをデザインし続けます。