y/n 『Q&Q』空間デザイン

2023年5月26日~29日にアトリエ春風舎で上演されたy/n『Q&Q』の空間デザインを担当しました。

今回のクリエーションは「教育」について考えるところからはじまりました。教育というテーマは東京芸術祭ファーム2022 Farm-Lab Exhibitionでのパフォーマンス試作発表『Education (in your language)』から引き継がれたものでもあります。このときは○×クイズとYES/NOクエスチョンの類似性を利用して、自明と思われる正解や規範の枠組みを揺さぶることを試みました。新作『Q&Q』はレクチャーパフォーマンスという、文字通りレクチャー形式のパフォーマンスです。パフォーマーが何事かを語り、観客がそれを聞く。このシンプルな(しかしいかにも「教育的」な)営みから生まれる関係性や、そこで暗に前提とされている規範を問い直すことからはじまりました。

私たちのクライアントであるy/nからは、教育の場の演出を求められました。私たちはクライアント共に、教室らしさとは何か?から入り、世界中の教育現場をリサーチすることから始めました。また、教室をそのまま再現するのではなく、要素をすべて分解し、再構成することで教室らしさを演出することを目指しました。私たちは議論の結果、黒板とチョークで空間をデザインすることに決めました。

空間構成は非常にシンプルで、最小限の要素でデザインしました。床は黒板塗料を塗った板にチョークでフローリングの模様を描き、壁面には黒板の様に使用できるボードを立てました。演者の動きに合わせて残る足跡は、観劇する回によって異なる印象を与えます。
上演は4日間にわたって行われ、多くの来場者が観劇し、また終演後のQ&Aセッションでは多くの質問と共に、活発な議論が行われました。

撮影:菅原康太

撮影:菅原康太

撮影:菅原康太

撮影:菅原康太

撮影:菅原康太